久々の外飯(短編)
カレー&スパゲティ 妻は久々の外めしにロータを選択肢に挙げた。私は迷わずそれに乗った。 昔ながらの洋風食堂?喫茶なのかな?店内は夕飯の客で賑わっていた。幸い出入口前のテーブル席が空いていた。入店時にレジ横のカウンターに座っていた中年の女性がこちらに向きなおり笑顔を魅せる。ママさんかと思っているとじきに会計を済まされて出ていかれる。(えっ客!)でも嫌いじゃない。この不思議感、嫌いじゃない。むしろ大好物。店内がマジックアワー感で満たされてゆく。今思うに常連中の常連ともなると自分の店としての感覚があるのか?客が来ると嬉しいし、混んできたら席を立つ…。そう考えるとあの笑顔も腑に落ちる。すごいな。 メニュは豊富。でも前から気になっていた↑写真を注文する。注文してからモノが届くまでに時間がかかる。が、慌てない。店内にはその時間を楽しめる雰囲気が漂っている。例えば私の背中の向こうでは、中年とおぼしき女性が腰の曲がったマスターと世間話で盛り上がっている。その近くで旦那であろうか、または常連仲間か、相づち的な短い言葉でいっそう彼女の機嫌を良くしている。盛り上がっているが決して嫌ではない。温かで、軽快で、幸せそうで、同じ空間に居ることが嬉しかった。そうこうしていると一人の若い女性客が無言で入って来て、迷うことなく世間話おばさんの後ろを抜けてカウンター奥の席に着く、マスターの合図を待って「焼き魚定食!」と小さいが凛とした声で伝えている。常連さんとの格の違いを背中に感じる…。 そうこうしていると中年らしき女性と男性がお会計を済ませている。ちらっと見ると歩くこともままならない老夫婦だった。妻も夫もゆっくりとしたペースで慎重に歩かれている。常連中の常連さんだったに違いない。たくさん食べちゃった!と出て行かれた。なんだか人生ってやつを思わずにいられない。自分たちもそうありたいのか、在りたくないのか?それすら分からないが、そうやって雑誌を読むフリをしてまだ来ぬ晩ごはん(↑写真)を待つ。